【開発・提供】Apple(アップルジャパン)
【関連Link】
Created Date:07/12/19
Modified Date:08/02/05
【解説】Modified Date:08/02/05
「Mac OS X 10.5 Leopard」より新たに実装された、オペレーティングシステムレベルによるバックアップソリューション。Mac OS X起動ボリュームにおける各種リソース等を指定されたバックアップ先ボリュームに対して、定められたスケジューリングに基づき自動バックアップ可能としている。
Mac OS Xインストール後の初回起動時に「Time Machine」の利用を確認すべくしたダイアログボックスが表示され、バックアップ先ボリュームを任意に選択。バックアッププロセスは、初回は対象範囲のフルバックアップが、2回目以降は差分バックアップが各々行われる事となり、差分バックアップ時には「Archive Directory Link」(UNIX系ファイルシステム等における「Hard Link(ハードリンク)」に相当)が利用されている。また、初回バックアップ後にコンピュータ名を変更した際にも、次回バックアップ時に変更結果を当該フォルダ名に自動反映可能となっている(バックアップ対象範囲は「System Preferences(システム環境設定)」>「Time Machine」にてカスタマイズ可能)。

↑初回起動時に表示される「Time Machine」の利用を確認すべくしたダイアログボックス(クリックで拡大)
利用可能なバックアップボリュームは「HFS Plus(Hierarchical File System Plus、Mac OS拡張フォーマット)」にてフォーマットされたUSB/FireWire接続の外付けハードディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブにおける別ボリューム、或いはワイヤレスバックアップソリューション「Time Capsule」に限定されており、「FAT32(File Allocation Table 32)」でフォーマットされたボリュームを選択する事はできない。複数のシステムにて任意のバックアップボリュームを共有する事も可能となっており、当該ボリュームに別データが保存されている状態でもバックアップ先として指定する事ができる。各種の制御は「System Preferences(システム環境設定)」>「Time Machine」から行う事となり、機能を有効にした際には1時間毎に自動バックアップがバックグラウンドにて実行される事となる。また、リストア時には前日までのデータは1時間単位、それ以前のデータは1日単位にて当該データのバージョンを任意に選択して復旧する事が可能となっており、リストアしたデータはバックアップ時に格納されていたディレクトリと同一階層に復元される事となる(時間毎に作成されたバックアップは過去24時間分、日毎に作成されたバックアップは過去1ヶ月分、1ヶ月を過ぎたバックアップは毎週分各々保存される事となる)。
バックアップされたデータは指定ボリュームにおける「Backups.backupdb」>「ユーザ名」>「年-月-日-時刻」ディレクトリに暗号化された状態で保存され、バックアップ先ボリュームを含む外付けハードディスクドライブを別のMacintoehコンピュータに接続した際も、適切なアクセス権を得る事ができないため内部のデータにアクセスする事はできない(セキュリティ面におけるメリットである一方、データの移行等を行う事はできない)。バックアップ先ボリュームに必要な空き容量を確保する事ができなくなった際には警告ダイアログが表示され、必要な空き容量が確保されるまでバックアップ作業が保留される事となる。
尚、「Mac OS X 10.5 Leopard」よりMac OS Xインストールプロセスにおける別のMacintoshコンピュータからデータを移行する際のオプションとして「Time Machineバックアップから」オプションが新たに追加されている他、システム(起動ボリューム)全体をバックアップ対象として指定していた際には、インストールDVDを用いる事によりシステムレベルのリストア(復元)も可能となる(インストールDVDから起動した後、「ユーティリティ」>「バックアップからシステムを復元...」を実行する事により、任意のタイミングのシステム状態に復元可能。この機能を利用する事によりシステムのダウングレードも可能となる)。但し、「Time Machine」を用いて外付けハードディスクドライブにバックアップしたシステムからMacintoshコンピュータを起動する事はできない。
その他にも「Spotlight」「Quick Look」「iPhoto」「Mail」「Adress Book」等、Apple関連各種ソフトウェア、テクノロジ等と密接した連携を実現しており、連携機能を有するソフトウェアのウインドウを開いた状態で「Time Machine Browser(タイムマシンブラウザ)」(「Time Travel(タイムトラベル)」ウインドウ)を起動した際には、当該ソフトウェア内で削除した各種リソース(写真やメール等)を復元する事等も可能となっている。「Time Machine Browser」を用いたタイムトリップ時にバックグラウンド(宇宙空間)にて光り輝くオブジェクトは「White Hole(ホワイトホール)」と称されている。