【開発・提供】The WebKit Open Source Project
【公式サイト】
Created Date: 08/06/09
Modified Date: 16/11/19
【解説】Modified Date: 16/11/19
Apple支援のThe WebKit Open Source Projectより開発、提供等が行われている、オープンソースのアプリケーションフレームワーク(ブラウザコンポーネント)。KDEによるレンダリングエンジン「KHTML」からフォークした「WebCore」、JIT(Just In Time)コンパイラ搭載のJavaScriptエンジン「SFX(SquirrelFish Extreme)」、JavaScriptデバッガ「Drosera」等によって構成されている。2005年6月より、ライセンスとして LGPL/BSD-styleを採用したオープンソースプロジェクトとして活動しており、開発過程における成果物がナイトリービルド(WebKit Nightly Builds)として公開されている。
Webブラウザ「Safari」「OmniWeb」「Shiira(シイラ)」「Epiphany(GNOME標準のWebブラウザ)」、メールクライアント「Apple Mail」、Widget実行環境「Dashboard」、RIAランタイムエンジン「AIR(Adobe Integrated Runtime」、Mac OS Xに含まれている「iTunes」「Dictionary(辞書)」「Help Viewer(ヘルプビューア)」 等における採用実績を有する他、「Adobe Dreamweaver CS4」以降では、レンダリングエンジンとして「WebCore」を採用したライブプレビュー機能が実装されている。
米国時間2008年3月26日付にて公開された「WebKit r31356(最初のスコア100は「r31342」)」においては、WaSP(Web Standards Project)による「Acid3(Web標準準拠の指標の一つ)」テストをクリアしたとの報告等も行われている(公開版としての合格は、当プロジェクトのレンダリングエンジンが 最初となった)。
同年6月上旬には、JavaScriptエンジンとして、スクリプトインタプリタ「KJS」をコードベースとした「JavaScriptCore」から「SquirrelFish(イットウダイ)」への移行が発表されており、同エンジンは「JavaScriptCore」をバイトコードインタプリタへリライトした成果物として、2008年3月より「WebKit」に対するマージが開始された。
「Google Chrome」との関係
米GoogleによるWebブラウザ「Google Chrome」、モバイルオペレーティングシステム「Google Android」では、開発当初より「WebKit」が採用され、Googleからも多くのエンジニアが同プロジェクトに参加していた。しかしながら、米国時間2013年4月3日、今後の方向性を巡っての意見の相違、或いはマルチプロセスアーキテクチャへのアプローチの違い等から生じた コードの複雑化等に起因して、Google陣営はWebKitからフォークした新たなオープンソースプロジェクト「Blink」を立ち上げる事となる(「Google Chrome」では、2013年7月9日付にてリリースされた「Google Chrome 28」より、レンダリングエンジンを「Blink」へと移行する事となる)。